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窓から西日が射している
お前は毛糸をたぐりながら
一日を編んでいる
あさぎ色のセーターの形に

はるかな山並みは
藍色のシルエットになっている
私はギターを弾きながら
時間を紡いでいる
いつまでも
こんな夕方があればいいと思いつつ

おまえの頬をオレンジの夕日が染めている
肩にかかる長い髪
結ばれた美しいくちびる

いろんなことがあって
おまえはそれでも
私の部屋の椅子に座っている
おまえはそのときまだ二十一
そして私はそのときまだ二十三
無責任で
それほど深い暮しも考えなかった頃

窓からは西日が射し込んでいる
私たちの恋の名残は
椅子の背に掛けられたセーターに
昔日のほのかな陽だまりをつくっている
時の彼方の町 2012/09/25(火) 17:53 編集 削除
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