■ 飛騨 甚 詩集
― 「さくら小路」~さくらユニバーサルの作家たち ―
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私が眠ると
私が眠ると町が目覚める
私が眠ると遠い町から
あの娘が昔のままの笑顔でやってくる
楽譜を抱えて
遅れてごめんねと言いながら
私が眠ると風が吹いてくる
風の中には
ほのかな香りが漂っている
それは春の丘陵の匂い
そしてそれは
夏の灼けた砂浜の匂い
私が眠ると
耳もとにささやきかけてくる
古いギターの音
私は夢の中で何度も涙をぬぐっている
もう聞くことのできない
あの娘の歌
どんなレコードより素敵だった
あの娘の歌
私が眠ると時が開かれる
甘くやるせない情景の中に
あの娘が
昔のままの笑顔でやってくる
時の彼方の町
2012/09/25(火)
18:11
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初夏の風
ガラスの向こうを
着飾った若い娘が歩いていく
私はもう三十を過ぎてしまった
この町を離れられないのは
別に
取り立てた理由があるわけじゃない
ガラスの向こうを
初老の工事人夫が歩いていく
おまえは私よりふたつ年下だった
今もそれは変りようのないこと
十年前に流行ったハードロックを
今も好き
ガラスの向こうを
初夏の風が優しく過ぎていく
今もそれは変りようのないこと
私は
Tシャツにジーンズのおまえを
今もいちばん美しいと思うのだ
時の彼方の町
2012/09/25(火)
18:09
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陽だまり
思っていたよりも
あなたは
ずっと遠くまで行ってしまったのかもしれない
道端には
露草が雨に濡れている
私は傘をさして
陽だまりを探し続けている
これから何十年生きたとしても
あなたと私が
私たちになる日は来ないのだ
思っていたよりも
あなたは
ずっと遠くまで行ってしまったのかもしれない
昔のままの町並みに
二十歳のままのあなたの歌が
残されている
二人で生きられる場所を探しながら
私もまた
思ったよりも
ずっと遠くまで来てしまったのかもしれない
時の彼方の町
2012/09/25(火)
18:08
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友だち
絵の中の森に
日が射せば
私は春のスーツを着て
町に出る
にぎやかなショーウィンドウ
走りすぎるバイクの娘
これからどこまで?
時間はまだまだ充分あるし
少しばかり
朝の明るさを楽しみながら
あの喫茶店まで
丘の中腹にある
素敵な喫茶店まで
沈丁花の坂道を登れば
肩に降り注ぐ鳥の声人の声
まだまだ時間は充分あるし
天気は最高
遥かな町から
友だちは列車に乗ってやってくる
まだ冬の明けきらぬ町から
友だちは
やわらかな春の風のようにやってくる
時の彼方の町
2012/09/25(火)
18:07
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あいもかわらず
あいもかわらず空は青く
あいもかわらず私は一人
願いは叶って
思いは満たされて
なのに
すべては薄明の中にゆらめいて
心のままに
もう一度歌えるなら
もう一度ギターを弾けるなら
昔
恋人と生きたこの町で
季節はいつも
旅人の姿で通り過ぎていく
冬には冬に棲む少女
夏には夏に棲む少女
春の埃っぽい田舎道と
秋の夕日と
あいもかわらず雲は白く
あいもかわらず風は光り
あいもかわらず日は美しく
あいもかわらず私はひとり
心のままに
もう一度歌えるなら
もう一度ギターを弾けるなら
昔
恋人と生きたこの町で
時の彼方の町
2012/09/25(火)
18:06
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