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葡萄の実をひとつぶ
口に入れて
あなたは笑った
あなたの後ろの窓は開いていて
時計塔が見えた

階下では
あなたの妹がピアノを練習していた
途切れがちなメロディーさえ
午前10時の静けさには
心地よかった

丘の上の喫茶店から
ぼくは
眼下に広がる町を眺めている
町は初秋の日差しに光り
あなたの家の赤い瓦屋根と
その傍にある
白亜の時計塔が見える

いつのまにか
いなくなってしまったあなたが
どんな暮らしをしているのか
ぼくは知らない

ただ
今になって
何気なく時を過ごしてきた
あなたの部屋の情景が
ほのかな痛みを連れてぼくの胸を通り過ぎるのだ

この店の椅子に座って
あの日のメヌエットを聞くたびに
時の彼方の町 2012/09/25(火) 14:01 編集 削除
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